作家・神坂次郎
さて、紹介したい本を1冊。
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知覧に、このような石碑があります。
作家・神坂次郎は、自らも特攻隊の一員。
本の書き出し部分 ☟
知覧
薩南の涯の山のなかの静かな町。
と号(特攻)要員とよばれた若者や
少年たちが、青春の最後の幾日かを過した町。
祖国の難に一命を捧げた隊員たちの特攻機が、二百五十キロの爆弾を抱えて
よろけるように飛び立っていった町。
そんな隊員や、それを取りまいた人々の、
さまざまな思いが罩められている町、知覧。
[碑文より]
まだあどけない少年が、命の重みを知る頃。
自分だけ、生きのびてしまった。
罪のない人間が、ただ、生きのびた。
悪くない、まったく、悪くないのに・・
友の死を悼み、悔やみ、苦しみ、
ずっと罪悪感を持ち続け、生きていく・・
そして作家になり、彼らの生きた証を残していく。
ためしよみ ☟
試し読み | 神坂次郎 『今日われ生きてあり―知覧特別攻撃隊員たちの軌跡―』 | 新潮社
僕の命の残りをあげるから、おばさんはその分、長生きしてください――知覧特攻基地の隊員たちはこの上なく美しく、限りなく哀しい言葉を遺して空に散っていった。その散華は国家や天皇のためではなく、可愛い妹、敬愛する父母、愛しい恋
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