一期一会の乗務員・タクシー会社の仲間たち①浅草一郎さん

旅行と歴史

タクシー乗務員になって、はや半年。今の会社に移ってからは2ヶ月が経過しました。

タクシー会社の移籍は大成功!会社にも人にも恵まれて、毎日楽しく働いています。

そんな素敵な会社の人々のことも紹介できたら… と考え、書いてみることにしました。

守秘義務とか、個人情報保護とか、色々とうるさいので、隠すとこ隠して、意図的に事実と変えている部分もあることをご了承くださいませ。🙇‍♀️🙇‍♀️

『タクシー会社の仲間たち』第1回目は、浅草マスターの一郎さんの話を書きます。

まずは、私がまだタクシー乗務員になりたてホヤホヤの頃の話から。

当時勤めていた会社の指示で、私を含む新人は夕方15時から翌朝10時までの勤務。

タクシープールの付け方も知らず習わず、「無線を取るか、酔っ払い客を乗せてください」みたいな感じでした。

そのため、夜から朝までに動く人を対象にお乗せしていましたが… やっぱりはじめは怖くてなりません💦 そんな私が初めに通った(?)町は、吉原でした。

その点、吉原ならば酔っ払いはほとんど居らず、沢山のお客さまを獲得できます。

慣れない私は、台東区千束、つまり吉原界隈ばかりを走るように。お客さまをお送りするにもこの町は覚えやすかったのです。

吉原のお客さまの目的地は、主に ①鶯谷駅、②南千住駅、③上野駅。その他、三ノ輪駅、入谷駅、浅草駅、浅草橋駅、蔵前駅などなど。

交通の便の良くない吉原だからこそ、駅までのお客さまが多くいらっしゃいます。

さらに、私は女性ドライバー。この町で働く女性は女性ドライバーを歓迎してくれました。(たまたま乗っただけの人も多いですけど)

数ヶ月後、私は会社を変えることにし、本社の研修でベテラン教官から『稼げる場所』を伝授されます。

その際、吉原について伺うと… 教官方は皆、口を揃えて吉原にわざわざ行かない、と言います。

「吉原だと、(お客さまをお乗せする)効率悪いよね」

そ、そんな〜ぁ😭😭

研修を終え、営業所に配属。稼げなくなるのを恐れて、私は吉原営業を封印することに。

しかし、ひと月ほどが経った頃でしょうか?素晴らしい出逢いがあったのです。

ちょっと先輩の同期が、同じ営業所のベテラン乗務員に話しかけていました。

「今日もまた稼いできたんですかーっ?」

ベテランさんのこの日1日の売上は、12万円ほど。つまり月収100万越え!の人です。
(月の売上が140万円を超えると、その位になる)

この同期と共に稼ぎ方や営業の仕方を教わっていると、ベテランさんは新人の私にこう言葉をかけてくれました。

「浅草のことなら答えられると思うので、何でも聞いてください」

えっ、えっ、良いのかな… そう思いつつ、せっかくなのでアレコレ質問を🙋‍♀️

「吉原で稼ぎたいのですが、どうすれば良いですか?」

すると、ベテランさん。

「吉原はね、時間帯によっては鶯谷駅との往復でお客さまが途切れないから、片道千円くらいだとしても十分稼げる。

鶯谷でお客さまが乗せられなかったら、坂を上がってすぐ、美術館に来ている外国人観光客も乗ってくるから上野駅公園口に(タクシーを)付ければ途切れにくい」

こんな感じで、ベテランさんはポイントやコツを伝授してくれます。今では私だけでなく、同期の新人も相談していたり…

※ ちなみに、吉原が稼げるのは夜中12時半までが限界のようです。

このベテランさん、実際はカッコ良い名前なのですが、私は『浅草一郎さん』とお呼びしています。

「一郎さん!教えてください、、、」と。物静かに話す御方なのですが、嫌な顔ひとつしません。

私の目には一郎さん、手塚治虫のキャラクター・レッド公に見えます… 笑 細身でメガネ、スラッとしたレッド公のイメージです。

一郎さんとは出番が異なります。私は火木土ですが、一郎さんは月水金。時々、日曜も出勤してるそうです。

そのため、私が一郎さんと会えるのは、一郎さんの出番が遅番、仕事明けで納金してるタイミングです。

お見かけすると、おはよーございまーす!と声をかけ、同期と共に一郎さんの日報を拝見させて頂くのですが、、、いつも10万超え。

本社の熟練乗務員でも稼げない、玄人の町・浅草。

一郎さんのカッコ良さは、あの浅草に絞ってるにも関わらず、稼いで帰ってきちゃうところにあります。

近頃、私は浅草界隈を目的地としたお客さまをお乗せすると、こんな会話を始めます。

「私の働いてる営業所で、浅草マスターの先輩が居まして…」

吉原のことだけではありません。一郎さんが教えてくださる、通りの名前、グルメ、休憩スポットやイベント情報など、色んな話題を話しかけてみるのです。

つづく。

読者からの情報

(Facebook・Twitterにて、受付中!)

お願い

いつも「旅行と歴史」をお読みいただき、ありがとうございます。

救援のお願い

恐れながら、皆様からのご支援・ご協力を賜りたく存じます。

PayPay ご寄付

お送りいただいた PayPayマネー は、「旅行と歴史」の執筆に充てさせていただきます。

この情報配信に対し、皆さまに楽しんでいただけるよう更なる努力をしてゆく所存です。
今後とも、どうぞ よろしくお願い致します。

コメント

最近のコメント

タイトルとURLをコピーしました