私は幕末史が好きで、井伊直弼を巡る旅をしている。
井伊家の居城、滋賀県彦根市を訪れた。
わたしのこと
滋賀の見どころ
彦根といえば、国宝・彦根城。
その内掘りにある『彦根東高校』を知っているだろうか?
彦根城の周りを歩いていると、中から高校生がどんどん出てくる。
そこから颯爽と自転車で駆け抜ける学生の姿は、とても印象的だった。
正体は、彦根東高校の学生たち。
この彦根東高校は、彦根城の二の丸にある高校なのである。
観光名所とは言えないけれど、旅人の私にはとても興味深い。
説明ぽくなってしまうかもしれないが、高校について少々。
①甲子園の常連
高校野球を見る方ならば、知っているかもしれない。
この『彦根東高校』は、進学校ながら野球でも活躍している、全国でも有名校。
絵ハガキにも見られる、赤いジャンパー。
歴史好きならよくわかる『井伊の赤鬼』
そして、旧武田家の流れを汲む『井伊の赤備え』
彦根東高校の学生たちは、この赤を身に纏い、甲子園に臨むのだ。
②彦根人の郷土愛
私の旅が始まり、彦根の人々と触れ合う機会も出来てきた。
彼らに共通しているのは『彦根の誇り』
彦根のことを書いて投稿すると、「彦根に住んでいることを誇りに思う」「彦根出身なので誇らしい」といった言葉が寄せられてくる。
彦根の人は単純に「嬉しい」とは書かず、「誇り」と書く。
他の土地とは少し異なる、彦根の郷土愛が垣間見えて面白い。
③高校の応援歌
さらに、彦根東高校の面白さを書いてみよう。
また別の絵ハガキを購入してみたのだが、
彦根東高校の校歌と並び、応援歌が書かれている。
これまた、彦根の歴史を歌う。
【彦根東高校 応援歌】
♪ 嗚呼 英雄が 夢の跡 歴史は遠く 四百年
金亀城 頭我立ちて 尚武の風に 潚(うそぶ)けば ♬
(金亀城=彦根城。尚武=軍事を尊ぶこと)
注目すべきは「英雄が夢の跡」。
松尾芭蕉の句「兵どもが夢の跡」と比べてみると分かりやすい。
あの句は、源平合戦で武功を挙げた源義経が平泉に落ち伸びてしまったこと を詠んでいる。
義経や家臣たちを偲ぶのは、そこに生い茂る夏草だけ。
過去から現在への移り変わりと、功名の消えた虚しさが残る。
そう、「英雄が夢の跡」とは、桜田門外の変から一転した彦根の心情と似通っているのだ。
彦根で歌われる応援歌には、英雄=井伊家、そして夢の跡=大藩・井伊彦根藩
この栄光を、彦根市民は忘れないということだろう。
④彦根の藩校から
『彦根東高校』は、滋賀県内で最も古い旧制第一中学校。
井伊直弼の父であり、彦根藩主・直中が設立した「稽古館」の流れを汲む。
戦後に高校となり、現在は県内トップクラスの進学校である。
藩校が前身なので、城の中にあり、名門校なのだ。
彦根を愛する彦根人にとって、この高校へ進むことは憧れと思う。
そうなると当然、学力も上がるというわけだ。
高校前の「長野伊豆屋敷跡」にも、歴史を感じる。
彦根を旅して
私は彦根を歩き、先陣切って駆け抜ける「彦根東高校の子たち」に驚きました。
自分が彦根の高校生なら、、城の中にあるこの彦根東高校に通いたい!と思うでしょう。そんな楽しい空想を頭に描いていました。
青春時代の懐かしさ。
これも彦根の旅の、楽しさかもしれません。
全国の旧制中学
北海道:札幌南
青森:弘前
岩手:盛岡第一
宮城:仙台第一
秋田:秋田
山形:山形東
福島:安積
茨城:水戸第一
栃木:宇都宮
群馬:前橋
埼玉:浦和
千葉:千葉
東京:日比谷
神奈川:希望ケ丘
新潟:新潟
富山:富山
石川:金沢泉丘
福井:藤島
山梨:甲府第一
長野:松本深志
岐阜:岐阜
静岡:静岡
愛知:旭丘
三重:津
滋賀:彦根東
京都:洛北
大阪:北野
兵庫:姫路西
奈良:郡山
和歌山:桐蔭
鳥取:鳥取西
島根:松江北
岡山:岡山朝日
広島:広島国泰寺
山口:山口
徳島:城南
香川:高松
愛媛:松山東
高知:高知追手前
福岡:修猷館
佐賀:佐賀西
長崎:長崎西
熊本:済々黌
大分:大分上野丘
宮崎:宮崎大宮
鹿児島:鶴丸
沖縄:首里
あとがき
甲子園というのは、もちろん高校生が主役です。
彦根市の青年たちは、「赤備え」にこだわり、彦根の歴史を愛しているのがわかります。
若い子にも歴史を好きになって欲しい、とは常々思っているので、これは嬉しい。
そういうところにも、彦根の魅力を感じます。
読者からの情報
(Facebook・Twitterにて、受付中!)
お願い
いつも「旅行と歴史」をお読みいただき、ありがとうございます。
救援のお願い
恐れながら、皆様からのご支援・ご協力を賜りたく存じます。
PayPay ご寄付
お送りいただいた PayPayマネー は、「旅行と歴史」の執筆に充てさせていただきます。
この情報配信に対し、皆さまに楽しんでいただけるよう更なる努力をしてゆく所存です。
今後とも、どうぞ よろしくお願い致します。
コメント