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【怪談】浅草の伝承 ①姥ヶ池 ~旅人殺しの末路~ 怪談、一ツ家、石枕、妙音院、花川戸公園、浅茅ヶ原の一ツ家、浅茅ヶ原の鬼婆

はじめに

全国各地に広がる 怖〜い話。

この「旅行と歴史」では、東京・下町の怪談 をお届けします。

姥ヶ池の言い伝え

姥ヶ池は、明治24年に埋められました。それまで ココにあったんです。ヒィーッ

伝説の名称

この話は、色んな呼び方があります。このようなもの ☟

⑴ 姥ヶ池伝説
⑵ 浅茅ヶ原の一ツ家
⑶ 浅茅ヶ原の鬼婆
⑷ 一ツ家伝説
⑸ 石枕伝説

浅茅ヶ原とは:チガヤの生えた荒れ野原

石枕

犯行時に使われた凶器、それは石枕

石枕 長さ:約33cm、高さ:約12cm (妙音院・所蔵)

中央がくぼんでいるそうです。石がくぼむほど、大勢の犠牲者が居たと言われています。

( 妙音院:以前、姥ヶ池の隣にありました。現在、浅草寺の裏側に移転しています )

☝ 我が家の枕「テンピュール」

リアルな話??

ここ浅草の伝承が興味深いワケ。歴史を伝える証拠が残っているのです。このような ☟

⑴ 絵師・歌川国芳が描いた絵馬

⑵ 殺人に使った石枕 (非公開・妙音院 所蔵)

⑴は、江戸時代にも語られた生々しい怪談、人間の感情が描かれています。

⑵は、殺人の物的証拠。ヤダー 凄くないですか?

訪れた感想

現在、姥ヶ池はこんな感じ。

碑文「福壽稲荷大明神」( 福禄寿=七福神の1人 )

呪いを封じ込めるための石碑では無さそう。

ちょっと私に 異変。顔が青くなり、ひどく疲れているのが判りますか。

浅草の伝承

この地には、恐ろしい 殺人伝説 があるのです。一体、ここで 何が?

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いつもの記事 を読みたい方は、次ページへ

浅茅ヶ原の一ツ家

その昔、ここは 浅茅ヶ原 (あさじがはら) と呼ばれ、草むらと大きな池、その中に一つ 家が在った。

奥州(東北)・日光(北関東)の分かれ目となり、多くの旅人が訪れた。

美しい老婆が暮らす、一ツ家

「草むらで寝ては疲れが取れぬ。宿を借りてもよかろうか」と、旅人

周辺を流れる隅田川に、まだ橋は架かっていない。

「北へ行くかね、川を渡るなら今夜は休んでいかれ」と、老婆

ほとほと歩き疲れた旅人は、一ツ家でくつろぎ、ひと安心。

「この辺、草で汚れましょ。今のうちに洗って干しなせ」

老婆の勧めに従い、旅人は身に付けていた衣服を干しておく。

「莚(むしろ)で 横になったら楽さぁ」と、

莚の上に置かれたに、旅人は深い深い眠りにつく。

老婆は 起きぬ旅人の頭を目がけ、石を落とす

は 旅人の身体に、莚を覆い被せる。

この2人、罪を重ねてだんだん分かるようになってきた。

人頭の骨は、硬くて割れぬ。

慣れぬ内には、2人がかりでやっとこさ。

確実に殺らねばならぬ。誤れば返り討ちに遭うだろう。

石を落とせば 当然、的が外れやすくなる。

ならば人頭を挟む、を鋭くすれば良い。

大きなを運ぶのは大変だが、平たいならそれほど苦労しない。

高く天井から、石枕を目がけ、ドオンッと を落とす。

重みに速さが加わり、人頭をかち割る。

人頭から吹き出る血しぶきは、勢い余って天井まで跳ねる。

莚(むしろ・昔の寝具で藁敷)で覆えば、血は飛ばぬ。

くるまった身体から、どんどん血が流れていく。

たっぷりと血を吸った莚ごと、死体を池まで引っ張ってゆく。

沈めてしまえば、埋める手間もない。

血の固まらぬ内に流せば 石枕、跡も残らぬ。

こうして、2人は旅人から金品を奪い続けていた。

ある日。

美しい若者が 宿を求め、一ツ家を訪れてきた。

この若者、見た目だけでなく、心まで美しい。

その気高さに惹かれたは、若者と離れたくないと考えた。

思い悩んで、老婆に問う。

「なあ、ここを出ても良いか」

「何を言う、出てどうする」

老婆は、の話を聞き入れない。

ここしか知らぬ者が、出て何するかなど考えられぬ。

深夜。

の姿は見えぬが、そんな日も時々あった。

今宵は、1人で良かろう。

いつもの通り、寝入る若者。

莚にくるまった石枕。

実は、若者の心に触れて罪を恥じ、身代わりを決めた。

当然のこと、何が起こるかを知っている。

それ、老婆は 頭の上にを落とす。

ぎゃっ、が落ちるその瞬間、叫び声をあげた。

老婆 声の主 に気が付き、割れた頭の元に駆け寄る。

眼を見開き、恐れおののいた表情の

先ほどまで血の巡っていたであろう白い脳みそが、むき出しの姿。

頭の骨は粉々に砕け、血しぶきは止まらず 老婆の身体に降り注ぐ。

生温かいの血は、今まで奪った命の重さを伝えていた。

を殺し、初めて老婆は罪を知る。

その後まもなく、老婆 は 池 に身を投げた。

池に引きずられるようにも見えたと言う。

若者は、この哀れな人生を書き残していく。

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2つの伝承

1つ目・若者(稚児)が現れ、娘が身代わりとなる。(若者=浅草寺の観音菩薩)

2つ目・若者、浅草寺で一夜を過ごして命拾い

3つ目・老婆の最期、龍に姿を変え 池へ

1つ目・考察

本によって、老婆と娘の関係性も異なります。

娘:殺人の意思 あり or なし

老婆一人で、殺していた?

:多分、2人で殺していたと思います。

老婆ではなく、老夫婦とする説あり

② 老婆、 誤って or 知らずに 説

老婆、石を落としたのはワザと?

⇒ △:どちらも、可能性ありと思います。

2つ目・考察

日は暮れて 野には伏すとも宿借るな 浅草寺のひとつ家のうち

こんな笛の音が聞こえ、旅人は 一ツ家を抜け出し、浅草寺で夜を明かす。

若者の正体

観音信仰 を説くものとして、前説と同じ意味合いを持ちます。

3つ目・考察

④ 龍になった老婆

よくある「水の神様」になった説

罪を犯して龍になる、信じがたい話です。

現地を巡って

私の居る公園一帯、全て「姥ヶ池」跡地。

こんな石を落としてたんでしょうか? ☟

「見~~た~~な~~~~!!」(元ネタ:安達ケ原の鬼婆)

公園内の碑

助六にゆかりの 雲の紫を 弥陀の利剣で 鬼は外なり

この碑「」「」の文字が見えるので、石枕伝説の碑?と見間違えてしまいます。

こちらは 助六歌碑、元は今戸・仰願寺(ぎょうがんじ)に建てられました。

姥ヶ池碑の場所

浅草寺の東・二天門を出て、信号(二天門)を過ぎ、すぐ左の公園内。

花川戸公園・北エリア

あとがき

浅草関連の本はたくさんあり、この地の本もいくつか読みました。

あれ~? いずれも少しづつ、内容が異なります。

自分でも「現場」を想像してみよう!と思い至り、短編を生々しい表現で書いてみました。

生々しい表現

リアリティを持たせるのにひと苦労。想像でしか書けないので、殺人事件の描写を参考にしました。

書いた感想

どうやら姥ヶ池の伝承は飛鳥・奈良時代の話らしい。

古代の東京言葉が分からず、勝手な雰囲気で書いてしまいました。

女性2人で旅人を殺害するところを想像してみたのですが、もっと詳しく「石で殺害するシーン」を書いてみたかったです。

それには、映画を観たり、表現力を磨いたり、もっと自分を高めなければと思い知らされました。色んなことを知らねばなりませんね。

今回のテーマ:経験

鬼婆の伝説

姥ヶ池 を読んで。

「コレ、安達ケ原の鬼女?(福島県二本松市の伝承、別名:黒塚)」

鬼婆が人を殺す伝承 はいくつもあります。黒塚、姥ヶ池、ほうぼうに。

さいごに

時に人は、悪気なく人を傷つけ、怨み辛みが跳ね返り、高い代償を払う事もしばしば。

人を思いやることは素晴らしいことです。

しかし、思いやりを想像すら出来ない人生を歩んでいたら?

大量殺人を繰り返し、悪行に気づく。

老婆は、我が身に降り掛かり、初めて人の気持ちに寄り添えた訳です。

経験こそ、人生

願わくば、誰もが 負でない経験 を重ねられますように。さて、もっと想像力 養います!

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書きたい記事:都内の怪談・伝承、水の話 

この情報配信に対し、皆さまに楽しんでいただけるよう更なる努力をしてゆく所存です。

今後とも、どうぞ よろしくお願い致します。

参考文献

東京都の歴史散歩 (上)下町

江戸の怪異と魔界を探る

日本の妖怪と幽霊 最恐保存版

東京古地図散歩 ―浅草編―

あずみ 1~48

金属バット殺人事件(試し読み)

概要

台東区立花川戸公園(北エリア)

住所:東京都台東区花川戸2丁目4−15

交通機関

電車

・東京メトロ銀座線「浅草」駅下車 徒歩5分
・都営地下鉄 浅草線「浅草」駅下車 徒歩5分
・東武スカイツリーライン「浅草」駅下車 徒歩5分

・つくばエクスプレス「浅草」駅下車 徒歩10分

バス

・「浅草駅前」下車 徒歩10分

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