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【滋賀県彦根市】井伊直弼を訪ねて⑥ / 村山たか、埋木舎、花の生涯、大河ドラマ

NHK大河ドラマの第1作目は、井伊直弼を巡る物語『花の生涯』

1963年に放映されたもので、残念ながら私は観ていない。

わたしのこと

みやび ひまり (雅 陽葵) と申します。

旅行好き、歴史すき、お花ダーイスキッ!

花を愛でたい、おめでた女子 ٩( ”ω” )

井伊直弼の生涯

井伊直弼は、彦根城の目の前にある埋木舎(うもれぎのや)という小さな屋敷で、人生の3分の1を過ごした。

巡り巡って、藩主となり大老となり、雪降る朝に水戸脱藩浪士によって首を斬られてしまう。

真っ白で無垢な部屋住みから、赤備えの家臣として幕府を守ろうと必死に生きた、井伊直弼

彼をたとえるなら、一体どの花なのだろう。

忌み嫌われた、椿の花

春の訪れを知らせる、椿の花

寒さに耐えて鮮やかに花開き、ポトリと落ちる。

散る様子はまるで斬首だと、江戸時代には忌み嫌われていた。

椿の花と茶道

私は、遅咲きの大老・井伊直弼を知ろうと、滋賀県彦根市を訪れた。

居所『埋木舎』でまだつぼみの椿だった彼は、茶道を愛し、この花をどう捉えていたのだろう。

花の生涯

椿でもうひとつ。『花の生涯』に登場するヒロインは『村山たか』という。

この人物ならば、私にも聞き覚えがある。

井伊直弼の歴史のひとつ、安政の大獄を蔭で支えた女スパイの名前だ。

椿姫

また連想してゆき‥『椿姫』というフランス小説がある。

高級娼婦が青年の誠実さに惹かれ、2人は結ばれる。

彼女は愛を知り、青年の将来を守るために身を引く。

そして青年に対する愛を死ぬまで貫く。

村山たかを高級娼婦、井伊直弼を青年に見立てた、椿の花。

村山たかとは

村山たか』には、他にも『可寿江(かずえ)』『加曾閉(かそべ)』の名がある。

彼女の自筆に「可寿江 53歳」とあるので『たか』とは井伊直弼による愛称かもしれない。

近江の多賀大社に所縁がある。

村山たかへの恋文

近年見つかった井伊直弼の恋文『たか』と含めた和歌を詠んでみよう。

名も『たか』き 今宵の月はみちながら
君しをらねハ 事かけて見ゆ

【超訳】君と見る十五夜は美しかった。
けれど今は、見る月も日常も欠けてみえる

井伊直弼埋木舎に入ったのは、1832年。

恋文は、この10年後に書かれた。

27歳になった部屋住みは愛人に宛て「寂しい」との心情を綴っていた。

直弼とたかの関係

三味線と茶道・華道に通じ、和歌を嗜み、美貌と教養を兼ね備えた、村山たか

6歳年下の井伊直弼をたちまち魅了する。

私は、疑問に思った。

井伊直弼はなぜ、たかを側室にしなかったのか?

独学ながら歴史を辿ってゆくと、中年になっても離れられぬ!と縁を繋ぎ続けた2人に見える。

井伊直弼が藩主になった後には引き取れぬはずなどない。

彼は他に町人の娘を側室として迎え入れてるし、芸者を側室にするなら養女にしてしまえば良い。

禁断の恋

私はこのような仮説を立て、考えてみた。

なぜ? なぜか…井伊直弼よりも上の立場の者が阻むのか。

なるほど、おそらく「源氏物語」に通じるものがあったのだろう。

次「あとがき」「読者コメント」☞

あとがき

彦根藩35万石に対し、部屋住みだった井伊直弼の石高はわずか300俵でした。

それでも藩主の子息として体面を整えなくてはならぬ身分です。

今回、井伊直弼が『村山たか』に宛てた恋文の和歌を紹介しました。

この恋文の中には「君の稽古の費用、出してあげられなくてゴメン」(超訳)とも書かれていて、切なくなります。

。゚(゚´Д`゚)゚。

愛ですね!

部屋住みと言うのは、政治に参与することなど出来ません。トントンと持ち上がり、藩主へ、大老へ。

赤く染まって国を動かし、首を落とされてしまった井伊直弼。

井伊の赤備え=彦根藩主=赤椿

私はそう表現しました。

井伊の部屋住み=埋木舎主=白椿

そして、埋木舎の彼を白椿と見立てました。

私は埋木舎の前を歩き、彼はどちらが幸せだったのか?と考えてしまいました。

男という生き物は、女にカッコ良いところを見せていたい。

そして、政治のトップにたつ井伊直弼を支え続けた『村山たか』

このやり取りの先にある、2人の絆が垣間見える気がします。

みやび拝

読者からの情報

茶道の達人として

茶道をしてるので、井伊直弼に興味があります。大河ドラマ篤姫で、井伊直弼が篤姫にお茶を点てながら話す場面をよく覚えてます。次回も期待してます。

彦根の誇り

彦根を訪れてくださりありがとうございます… 彦根の住人として誇らしく思います。

部屋住みって?

部屋住みは、衣食住が、保証されていたのでしょう?優雅に、茶の湯を楽しんで、何が不満なのでしょうか?

ゆるキャラ・ひこにゃん

ひこにゃんに会いましたか?かわいいでしょう、ダイのおじんが、癒されてます、たかが着ぐるみなんだけど、癒される。あと、埋木舎は私も行ったけど、普通の家ですよねー。でも歴史を感じるところですね。

花の生涯、演者

ありがとうございます。大河の(花の生涯)は見てましたよ。その後、三浦友和さんが、長野主膳を、演じてましたね。北大路欣也さんが井伊直弼役。

脇道もまた一興

脇道にそれるくらいがちょうど良い(伊井)・・・どんな事柄にもロマンを感じられなければ、ただの通りすがりの旅人に過ぎない。貴女様が想いを馳せる文中の脇道は容易に受け入れやすくロマンを感じる。だから面白い。次号が待ち遠しく思う。

村山たか、考察

今回も力作をありがとうございます。毎回のことですが(歴史素人の私には)知らないことだらけなので大変興味深く拝読させていただいております。昨日久々に桜田門前を車で通過しましたがいつもと違って感慨深いものがありましたね!さてさて側室にしなかったのは何故か?という命題ですが、村山たかさんを他の側室とは同列に扱いたくないという直弼の寵愛があったのでは、、、な〜んて考えました。素人の独り言です、、、美貌と教養を兼ね備えた村山たか→貴女のことかな?

麗人、淡島千景

「花の生涯」は私が13歳の小学生でしたが、妙に淡島千景に惹かれた記憶があります。あのハスキーボイス、涼しそうな目元と色気…やはり、村山たかに最適役と…。

井伊直弼の功績

僕は、大河ドラマ花の生涯を見て、井伊直弼を知りました。当時は、よく分からず。その後調べて生涯を俯瞰すると、あの激動の時期、日本の舵取りを頑張ったと思います。

歴史散策、浪漫の旅

歴史の深堀いいですね〜!この歳で私も思わず散策の旅に出てみたくなりました。

侍ニッポン!

史実では有りませんが、井伊直弼と言うと、どうしても侍ニッポンの新納鶴千代を思い出してしまいます。人を切るのが侍ならば〜、恋の未練がなぜ切れぬ〜♪

懐かしの紀行文

最近はあまり本を読まなくなった小生ですが貴女様の紀行文は実に文章が読みやすく面白い。

歴史の授業

時代小説を読んでいるようでいて「へぇーそうだったんだ」「なるほどね」などと呟きながら知らず知らずの内に学習していることに気付かされる。貴女の様な先生から歴史を学んでいたら、きっと今以上に歴史が好きになっていたのにと悔やまれる。

椿の花

読書家のセンス。文章力を感じます。椿にはスピリチュアルな物を感じつつ次回の投稿を楽しみにしています

励ましの言葉

勉強になります。文才があります。最後まで読みたくなります。次回も期待しております。

街道をゆく

私は山岡荘八が好きなんですが、司馬遼太郎が描きそうな文脈で素晴らしいですね。次も待っています。

たか女のルーツ

たか女は、神宮寺の女が間諜になったという点で興味があります。寺(神社)の娘であるということが、情報収集にどう影響したのか。芸妓になったのは、なぜか。多賀大社の周囲は少しだけフィールドワークしたことがあるんですが、独特な雰囲気を感じています。続きが楽しみです。

お勧めの小説

井伊直弼に御興味をお待ちでしたら、梶よう子さんの「一朝の夢」という時代小説をご存知でしょうか?江戸期の朝顔栽培を題材にした珍しい小説でもちろん虚構ですが、主人公を除く主要登場人物は実在の人物で、井伊直弼も大変重要な脇役として登場します。もしまだ読まれて無かったら、宜しければ是非。私は井伊直弼はあまり好きではなかったのですが、この小説で好きになった位です(笑)

大河ドラマと歴史

こんばんは。以前仕事柄NHKの方たちと色々お仕事をさせて頂きましたが、大河ドラマで唯一ライブラリー保存されて居ないのが、第一作目の「花の生涯」だけで、第二作目以降は保存されているとの事でした。私も小学生の一年から二年生に成った時期ですし、その年にひ孫であると祖母と、その連れ合いである祖父を亡くしその印象でしか無いため、父は見ていたのですが、大河ドラマの記憶がありません。残念ながら見たいとの思いも有りますが、叶いません。小説では花の生涯や、桜田門の変等を何度か読みましたが歳をとる度に印象も変化して行きました。村山たかの記載も覚えています。前にも話しましたが、私の恩師の大久保先生も退官されたので、もしかしたら埋木舎に戻られて居るかもしれません。是非とも伺いたいと強く思える文面に感激して折ります。この後も次のお話を期待して折ります

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