映画:「天外者(てんがらもん)」/ 三浦春馬主演・五代友厚 ネタバレあり

話題作

”天外者(てんがらもん)”

三浦春馬さん 主演の映画 を観てきました!

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※この記事は、私個人の感想と見解・推測で書いています。異なるご意見の方もいらっしゃると思いますが、趣旨を何卒ご理解ください。

※以下、映画『天外者』ネタバレに触れています。映画をまだ観たことがない方、ネタバレを知りたくない方は充分ご注意ください。

三浦春馬 ⇔ 五代友厚

三浦春馬の遺作

偉大な俳優、三浦春馬さん。訃報からあっと言う間に半年以上が経ってしまいました。映画 ”天外者(てんがらもん)” は、2019年に撮影を終えています。春馬さんは生前、この映画を代表作にしたいと語っており、意欲を持って作品に向き合っていました。

私も文章を書く者として、春馬さんに負けない情熱を持って書いてみます。

日本と五代の動向

日本:ペリー来航 ⇒ 開国 ⇒  江戸から明治へ 

五代: 長崎遊学 ⇒ 英国留学 ⇒   武士から実業家に

英国(イギリス)への留学経験がある五代友厚は、語学堪能・英語ペラペラなだけではなく、産業革命後のヨーロッパ経済を知っていました。多くの日本人が何も分からない中、彼はどうすれば 経済が発展するか を知っていました。

ちなみに、三浦春馬さんも2017年にイギリスへ語学留学をしています。 映画の中でも五代友厚バリ の、流暢な英語で話していました。

五代友厚とは

改名(留学)前の名前を”才助” と言います。素晴らしい才能を持ち助ける者として、藩主の島津斉彬公 (幕末ファンなら常識、西郷隆盛らを育てた偉大なる殿様です) が名付けました。五代は、西郷隆盛や大久保利通と同じ 薩摩藩 (鹿児島県) 出身です。

春馬さん演じる ”五代友厚” は、武士を経て実業家となり、大坂経済の礎を築きました。

私と映画

2020年12月11日

”天外者(てんがらもん)” 上映開始。

コロナもあり、私用もあり、師走はなかなか行けなかったのですが、昨日ようやく映画館へ。コロナの影響で、上映は1日1回のみ。私は幕末ファンですが、三浦春馬さんも大好きで、遺作となるこの作品は、必ず 映画館で観たい と思っていました。

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天外者とは

ものすごい才能を持った人物” ”天からの授かりもの” の意味を、鹿児島弁で表し、凄い・偉いなど、子を褒める時に使います

映画あらすじ

坂本龍馬・伊藤博文と

序盤で、坂本龍馬を演じる三浦翔平さんと共に、大勢の侍に追われます。

走っている最中、当時高価な万華鏡を買った伊藤博文(利助)を演じる森永悠希さんとぶつかり破損、弁償するよう迫られますが、工具を取り出し直してしまいます。

何故、追われているのか分かりやすい描写はありません。しかし龍馬と共に侍を迎え撃つシーンで、五代友厚は ”先を見通せる男” として写されています。殺陣がキレイでした。

女郎はるとの出会い

蒸気船の模型を川に浮かべる、五代友厚と子ども達。そこへ遊女(売春婦)の はる が橋から飛び降りようとしているのを見かけ、抱きかかえて阻止します。身投げなんぞしないよ!とはるは去ってしまいます。後にはるを再び見かけた際に、彼女は遊女たちに字を教えており、「字を覚え本が読みたい、世の中の事を知りたい」「遊女が字を覚えて何が悪い、夢くらい見たって良いだろう!」と叫ぶはるに心惹かれていきます。

才能を愛でた藩主

元服 (現在の成人式) の1年前、世界地図から地球儀を作ってしまった五代才助(以下、友厚)。その才能を認められ、元服時に藩主となった 島津斉彬 に愛されます。結果、若くして藩の武器買付、長崎で学ぶことなどを許されます。五代自身、かなりの自信家です。本予告(CM)で三浦春馬さんが ”きしぇんぽ” と言っていますが、日本が成長するという意味でしょうか?薩摩(鹿児島)弁については、現在 調査中です。

『俺に学ばせると言うことは、この日本が、1日早く来千歩(鹿児島弁)するっちゅうこった!』

男達の友情

先ほどの坂本龍馬や伊藤博文の他、岩崎弥太郎を演じる西川貴教さんが顔を合わせます。4人は牛鍋を囲むほど仲良しに。後に五代は伊藤博文の留学費用を工面するアドバイスをし、出発。五代の商才を知ります。

夢のある未来が欲しいだけだ!

映画予告で叫ぶセリフですが、不自由な生活を強いられるはるの夢を叶える意味です。藩主斉彬の使命で上海へ武器の買付に行く前に、五代は はる に簪(かんざし)をプレゼントし、『俺が創っちゃる』誰でも夢を見ることができる国を俺が創る!と誓います。

薩英戦争を終結させた男

史実と同じかは判りませんが、映画では 五代友厚 遊女はる の尽力で終結させたことになっています。イギリス艦隊は捕虜として捕らえた五代は、イギリスの武力に到底敵わないと考えます。そして日本人の恐ろしさを見せつけ、薩英戦争は終わりを迎えます。薩摩藩を救ったはずが裏切ったと誤解され追われる五代。さらにイギリスからも命を狙われます。このことを受け、イギリス要人に見受けされた 女郎はる が助命嘆願し、五代友厚は救われます。

離れても同じ地で

遊女はる は旦那と共に、五代友厚は留学で、共にイギリスで暮らします。はるに似た女性を見かけると追いかけますが結局2人は会えず終い。五代はイギリスで様々な事を学んだ後、日本へ戻ります。はるは結核に罹り、日本へ戻されます。病床のはるを見舞う五代は、はるの夢 ”2人で海を見る” 夢を叶えます。海辺ではるは絶命し、五代は泣き崩れました。薩摩で追われていた五代は、自宅で母の歓迎を受けるも、侍たちを前にして髷を落とします。江戸から明治へ、時代が移り変わります。 

大阪商工会議所初代会頭に

場面が変わり、新政府高官となった五代は混乱する日本経済を憂います。凛とした日本女性・豊子と出会い、2人は結婚。五代は商人たちの前で、結核を患いながらも素晴らしい演説をします。

母を看取れず

兄からの速達電報で ”ハハキトク(母危篤)” を知り、薩摩へ。死に目に間に合わず、遺体と対面します。

嫌われ者のはずが

大阪経済を発展させた男、実業家として名を馳せた男は、結核により命を落とします。葬儀には誰も焼香に訪れない・・と家族が寂しそうに言うと、伊藤博文が弔問に訪れ、遺族に刀を渡します。そして娘から呼ばれた五代の妻が外に出てみると、何千もの弔問客が灯りを灯して行列をつくっていました。五代は守銭奴のように思われていましたが、実際は借金しか残っておらず、私財を投げうって日本経済を変えたのでした。 

五代友厚の名言

上に立つ者の心得

一、愚説愚論だろうと きちんと最後まで聞いてあげること。

二、自分より地位の低いものが自分と同じ意見なら、その人の意見として採用すること。手柄は部下に譲ること。

三、頭にきても怒気怒声を発しないこと。

四、事務上の決断は部下の話が煮詰まってからすること。

五、自分が嫌がっている人にも 積極的に交際を広めること。

心に響く熱い想い

『金も名誉もいらん。私は夢のある未来が欲しいだけなんだ!』

映画の中で、こんな名セリフがあります。これは にある五代の言葉を基にしています。

「五代友厚 伝 」/ 五代龍作

余は生涯 決して安逸愉楽を希望せず。

(俺は一生、気軽に楽しんだり心から喜んだりしなくていい。)

余はたとえ失敗して 産を虚しくするも、

(俺が失敗して利益を出せなくても)

国家国民を幸福ならしむることを得ば、

(日本と日本人を幸せに出来るなら)

即ちもって 余は望は足れり。

(その時、俺の希望は叶っている) 

あらすじに沿った感想

急展開過ぎてついていけなかったのですが、映画好きで偏見のすごい私が、あらすじに沿って感想を書き出してみます。好き嫌いが激しく、役者への指摘が多いです。

三浦翔平、勉強不足

坂本龍馬は、現代でも大変人気のある人物です。岩崎弥太郎と同じ土佐藩の出身で、人たらしとして有名です。皆の思う龍馬の”見た目”には近づけても、龍馬の人物像を理解しているようには思えません。これだけ三浦春馬が情熱を注いだのに、オマエ何してんだよ!と腹が立ちました。実写化で命を吹き込むのと違って、熱い時代を作り上げた男を演じる時には覚悟をして欲しいと思いました。

森永悠希、存在感なし

伊藤博文は、教科書に必ず出てくる偉人です。誰もが知っていますがその存在感とは裏腹に、彼の演じる博文は記憶に残りづらいと感じました。瀬戸康史さんの劣化した姿かと思ったくらいです。演技がどうだったかと言うより、役者に大切な感情が表現されていないように見えます。

森川葵、25歳の新星

島津斉彬島津久光、両名とも、演技も魅力も良いと思います。

しかし配役が悪いです。斉彬から亡くなり、藩主交代して政権が久光に移ったタイミングも分からなければ、薩摩のことが何も伝わらない。2人は兄弟なのに、20歳以上年の離れた役者を起用したのも理解できないです。榎木は 、徳重は石原プロで”裕次郎を探せ!”企画で、1000万人の中からたった1人選ばれた俳優です。

西川貴教、滋賀観光大使

岩崎弥太郎は、土佐藩の下級武士から実業家となり、財を成しました。坂本龍馬より1歳年上、同じ土佐藩の出身で、後に三菱財閥の創設者となりました。歌手として今も活躍している西川貴教さんは、何と井伊直弼(彦根市)で有名な、滋賀県の観光大使です。役者が本業ではない彼ですが、幕末を知らない訳じゃありません。愛嬌ある岩崎弥太郎を演じていました。(役者でない人には、採点が甘いです)

⇒監督・田中光敏、引退勧告

彼は、私の大好きな石ノ森章太郎原作の”化粧師(けわいし)”実写映画で、監督を勤めました。当時まだ40歳そこそこですが、少女ながら映画が面白くないと感じてしまいました。新しい作品を手掛けるのに、60代はまだまだ現役だと思いますが、これだけ古臭い映画にしなくても・・と考えてしまいます。 

⇒脚本家・小松江里子、また下げたか

映画全体の感想として、脚本がとにかく悪い。この脚本家はNHK大河ドラマ”花燃ゆ”のW脚本家の1人として担当しましたが、彼女の脚本はいつも面白くないと言うのが私個人の感想です。三谷幸喜が素晴らし過ぎるのか、彼女がダメダメなのか、歴史をテーマにした脚本を引き受けないでくれよ・・と願います。

筒井真理子、透明感ある母

五代やすは、Wikipediaにも記述のない女性ですが母の美しさや優しさが出ていて素敵でした。 

三浦春馬、文句なしの名役者

五代友厚は、前項でもたくさん書き出しました。三浦春馬の演じる五代友厚はとても素晴らしく、世に知られていない彼の人生を世に広め、見事な形を作ってくれました。観れば観る程、彼の命が 惜しくてなりません。 ちなみに、五代友厚ブームは、NHK連続テレビ小説 ”あさがくる” (波留主演)で、ディーンフジオカが五代友厚役を演じ、火付け役となりました。

映画の感想

大昔の三流映画

映画を観て、序盤は ”入り込めない・・”と感じました。なぜなら、伝えたいことが解らなかったからです。そして ”五代友厚が主役” の主張が強すぎて、大昔の三流映画のようでした。薩摩は見ごたえありましたが、商工会議所は迫力ありましたが、イマイチでした。

時代考証が出来ていない。

前項”あらすじに沿った感想” でも述べましたが、脚本が悪すぎます。歴史も知らない、人物も地方も魅力を引き出せない、三浦春馬のネームバリューだけで、ものづくりを大切に考えてたのかどうかも怪しいです。本作品は、原作なしのフィクションなので、どれだけ世界観に引き込めたかが重要になりますが、設定が幼稚で世界に入っていくことが出来ません。三浦春馬があれほど心を込めた演技を見せているのに、なぜ協力出来なかったのか。代表作にしたいと一生懸命なのに、彼の足を引っ張っています。三浦春馬が本当に好きだから、駄作にしないで欲しいです。スポンサーの希望を反映したからなのでしょうか。三浦春馬を起用したチームなのに、なんだか残念です。

人間関係も把握出来てない

坂本龍馬と共に人気のある幕末志士と言えば、高杉晋作です。実は五代友厚が上海に行った時、高杉晋作も一緒でした。海外を見てなすべきことを知り、人生観を変えた高杉晋作と絡みがあっても良いように思います。坂本龍馬の親友なのか分かりませんが、チ長州の伊藤博文や土佐の岩崎弥太郎と4人組として描かれるのは、何も知らない脚本家でしかないと思ってしまいます。

 

作中の花魁に対する疑問

⑴遊女は客商売、あんな口のきき方するだろうか。

⑵身請けするのに4千万、帰国予定の外人商人が買うだろうか。

⑶自分を大切にしない遊女に、金持ちは執着するだろうか。

五代友厚の偉業が出ない

知識人で情熱的、とても魅力ある人物。だからこそ三浦春馬が演じたのに、ダラダラと幕末、最後ちょびっと実業家・五代友厚が出てきます。とても分かりづらいです。たくさん学んだ青年期と、国家国民のために働いた壮年期と、比重を青年期に置くならもっと他の登場人物を際立たせるとか、人間・五代友厚の努力を描いたら良かったのではないでしょうか。

小松江里子、消えろ

脚本家の小松江里子は、何を書いてもダメダメで、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「利休にたずねよ」、どちらも同じような評価しかありません。検索するとタイトルと一緒に ”つまらない” と出てきます。繰り返しますが、頼むから歴史を取り扱った作品の脚本を止めて欲しい。

三浦春馬は名優でした。だからこそ、違和感だらけの作品を観て、あれほどの役者が感情込めて演じて、作品は何てざまだ・・と悲しくなりました。薩英戦争は五代が解決したとか、そもそも五代の魅力を映してないのに、話飛びすぎです。

最後の弔問シーン、総理大臣が自宅へ来てるのに娘に呼ばれたからって放ったらかして外に出るかな。繋げ方がどう考えても不自然で、最後までめちゃくちゃでした。ストーリーに満足出来ず、映画の感想はイマイチでした。どうしてこんな設定にしてしまうのか・・とイライラしました。

映画上映までの道のり

2019 年に撮影終了、2020 年に公開予定となっていましたが、新型コロナウイルスの影響と、2020 年7月18日の訃報(三浦春馬の逝去)により、延期となっていました。
会場ではハンカチを手にした女性をチラホラ見かけ、客の9割が女性でした。三浦春馬の最後の作品となりました。

役者、やめろよ

一番ダメな役者だったのは、三浦翔平です。坂本龍馬はあまりにも有名で、1時間弱の歴史番組ですら演じる役者は苦労しているのに、えっ?と思うほど御粗末でした。演技力も無ければ、感情もない、ただ上辺だけの龍馬。コレじゃ怒りますよ。監督が”新しい時代を創る話だから、新しい役者を起用した” と言っていましたが、三浦翔平は決して新しい役者ではないです。顔だけ良いクズ。年は上(三浦春馬の2級上)でも、キャリアが違い過ぎるのでしょうか。

見どころあるシーンが

大阪商工会議所で、五代友厚が初代会頭に就任する際に演説します。それが本予告でも登場する名シーンです。しかし、洋装で大勢の男達の前で語る力強い場面は突然の場面転換でついていけません。え?この商人達がいきなり五代友厚にクレーム?といった印象です。引導する岩崎弥太郎とは前のシーンで決別しており、商工会議所でいきなり五代友厚を引導してしまうのもよく分かりません。「戻ってきた、(五代友厚の自信)自惚れが」と言った後、五代友厚は「俺についてこい」などと言い始めます。(ノ∀`)アチャー

実業家・五代友厚は青年期の苦労が成したもの、壮年期には多くの人を奮い立たせたはずなのに、呆れました。三浦春馬の熱演に皆ついていけよ!って感じでした。

大阪の経済発展から

コロナ禍になって、各都道府県の知事の顔を知るようになりましたが、この映画にはお馴染みとなった大阪府知事の吉村洋文氏が、大阪商人と交じって登場します。エンドロールで確認したところ、大阪市長も出演していたようでした。こんな遊び心は嫌いじゃありません。

もっとカッコ良い気がス

三浦春馬は俳優の中でもかなりイケメンですが、この作品では微妙でした。もっとカッコ良く撮れなかったのかなーと残念に思いました。迫力ある表情でしたけどね。

まとめ

映像50、脚本10、演技70、音楽60、演出60=250点/500点中

映像:ふつう、魅せ方は悪くない

脚本:マイナスでも良い、時代考証が出来ていない、役者を潰している

演技:人による、三浦春馬の名演を汚すな!

音楽:聴きやすかった、特に印象なし

演出:時代を感じさせる、悪くない

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